名古屋のオフィスを移転する場合のポイント
現在の事務所が手狭になった、事業拡大するために都市部へ移転するといった理由でオフィスの引越しをお考えの際には、引越しに伴う準備が必要です。
中部・東海地方で事業をされている場合には、オフィスの移転先に名古屋を選択することもあると思います。
特に名古屋では、条件が整えば名古屋市から助成金も受けることができるので、有力な候補となります。
今回は、名古屋にオフィス移転をお考えの際に必要な準備や手続きついて説明します。
オフィス引越しにあたりまずやるべきこと
現在のオフィスを名古屋へ移転をする場合には、新しい事務所用物件探しから移転の準備まで、知っておくべきことは多いです。
そんな移転の際のポイントについて説明していきます。
物件探し
移転をする際にまず必要になるのが、新しいオフィスとなる物件探しです。
名古屋市内には、事業所向けの賃貸物件が多数ありますので、どの物件を選ぶべきかで迷うことが多いと思います。
オフィス移転の際の物件探しでまず一番大事なことは、「移転をする目的」を明確にすることです。
「職員増員に伴い事務所が手狭になった」、「事業拡大のため都市部へ移転する」、「会議室や研修スペースを増やしたい」など、新しいオフィスに移転する目的をしっかりと設定しておきましょう。
そして、その目的を不動産会社に伝えることで、その目的に合った物件を紹介してもらうことができます。
次に、目指す物件の選択肢が出た段階で、自社の働き方などにあった物件を選んでいきます。
具体的には、駅からの距離や駐車場の有無、また社員の通勤時間なども考慮することが必要です。
オフィスの移転は、社員にとっても生活を大きく変えてしまう原因になりますので、働く社員の条件にあった場所に移転を考える必要があります。
さらに、ビル内の物件であれば、自社の営業時間・勤務時間にビルが使用できるかについても確認が必要です。
このような条件で物件を絞り込んだ上で、費用などの予算内に収まる物件を決定しましょう。
名古屋は多くの企業・事業所が展開しており、それに対応する物件も多く、自社の条件とあった物件を探すことも難しくはありません。
以上のような条件を明確にして、物件探しを始めましょう。
引越し業者探し
オフィスの引越しをする場合には、自宅の引越しとは多くの違いがあり、専門的な技術や知識が必要な作業も出てきます。
荷物をただ運ぶだけではなく、OA機器の梱包・設置や、電話回線の設置、LANの配線や部署ごとのゾーニングなど、作業は多岐に渡るためです。
また、現在ではパソコンやインターネット回線も、事業を行う上では必須のものになっています。
そのため、各パソコン配線とOA機器の接続やコンセントの配置など多くの作業や工事を行う必要があります。
それに加えて、書類やファイルなど、移転先でも使うものの梱包や社員個人の荷物の梱包も行い、さらにこれらは移転先ですぐに使えるようにしておかなくてはいけません。
そして、こういった引越しの準備を日々の業務と並行して行う必要があります。
引越し業者の中には、法人向けの引越しを行う部門を持っている業者もあり、そういった所に引越しを依頼すれば、引越しだけでなく、移転先で必要なレイアウトや工事なども含めて実施してくれる場合があります。
もちろん、それぞれの作業を専門業者に依頼して引越し業者には荷物の移動・設置だけを依頼する場合よりも費用がかさむ可能性はあります。
ですが、通常営業を続けながら引っ越し作業を行うことを考えれば、法人の引越しを専門的に行っている業者に依頼するもの、選択肢の一つではないでしょうか。
解約手続き
オフィスの移転が決まったら、現在入居している物件の解約手続きも行う必要があります。
解約についての予告期間などが契約の段階で決まっていますので、入居時の書類を確認し、余裕をもって不動産会社に通知をしましょう。
また、移転の時期についても決まった段階で早めに連絡をしておくことで、不動産会社との相談を行いながら各種の手続きを行うことができます。
各種届出
オフィスを移転して事業を行うには、法務局や税務署などへ、多くの届け出が必要となります。
これらの届出が遅れてしまうと、事業に支障をきたしたり、顧客とトラブルが発生したりする可能性もありますので、忘れずに行っていくようにしましょう。
必要な届出を、その提出先を以下にまとめます。
法務局
・本店/支店移転登記申請書
税務署
・事業年度、納税地、その他の変更異動届出書
・本店移転登記申請書
・給与支払事業所等の開設・移転・廃止届書
都道府県税事務所
・事業開始等申告書
社会保険事務所
・適用事業所所在地・名称変更(訂正)届
公共職業安定所
・事業主事業所各種変更届
労働基準監督署
・労働保険名称・所在地等変更届
・労働保険外さん・増加概算・確定保険料申告書
・労働保険関係成立届
・労働基準法に関するもの:
適用事業報告書(様式23号の2)
就業規則(変更)届
時間外労働・休日労働に関する協定届
・安全衛生法に関するもの:
安全管理者選任報告(様式第3号)
衛生管理者選任報告(様式第4号)
産業医選任報告(様式4号)
警察署
・車庫証明
消防署
・防火管理者選任届
郵便局
・転居届
電話回線会社
・電話架設申し込み(季節契約の電話の移設/新規加入)
・旧オフィスの電話撤去依頼
原状回復
解約する際には、オフィスも一般の住宅と同様で原状回復を行わなくてはなりません。
ただ、多くの場合、一般住宅とは違って全額借主の負担となります。
経年劣化も含めて、室内は壁紙や天井なども借主負担で原状回復を行う必要があります。
原状回復を行う場所や、どの程度まで回復させるかについては、賃貸契約を交わした際の契約書に指定があるはずです。
オフィスの移転が決まった段階で、契約書を再度確認しておきましょう。
また、場合によっては原状回復を行う際の工事業者を指定されている場合もありますので、併せて確認をしておきましょう。
原状回復の工事は、多くの場合には契約期間内に終了される必要があります。
移転の計画が決まった早期の段階で、工事会社に見積もりを依頼するようにしましょう。
物件の広さや、工事内容にもよりますが、工事期間は数週間〜1カ月程度要することが多いです。
さらに、新年度や決算期には企業の移転が重なる場合があるため、注意が必要です。
施工業者や引越し業者への依頼が多くなり、業者の予定を抑えにくくなる場合もありますので、決算期や新年度に移転をする場合には、特に早期から準備を始める必要があります。
まとめ
オフィスの引越しは、会社のこれからの事業や社員にとっても大きなイベントとなります。
引越しの準備には様々な準備、手続きが必要であり、それらを通常の業務を継続しながら作業を進めていかなくてはなりません。
膨大な労力を割く必要がある引越しですが、一つ一つ確認しながら進めていくことで、抜けなく引越し作業を完了できるでしょう。
今後名古屋へのオフィスの引越しを検討される際は、今回の記事を参考に、できるだけ早い段階から準備を進めていくようにしましょう。